実験・評価

実験エンジニア。子どもの頃に好きだった「ワクワク」することがそのまま仕事に。

2019年入社
大川 輝 HIKARU OKAWA

《プロフィール》
専門情報系を卒業し、前職はITエンジニア。第二新卒として4年前に入社し、現在は大手自動車部品メーカーで、自動車用リチウムイオンバッテリーの実験・評価を担当。

ITエンジニアから自動車の実験エンジニアへ。

電気自動車に搭載するリチウムイオンバッテリーの実験・評価を担当しています。電気自動車のバッテリーといえば、世界の自動車メーカーが激烈な開発争いを繰り広げる分野。世に出る前の試作品を扱うことも多く、世界トップレベルの技術を誰よりも早く知ることができます。そんな実験エンジニアの仕事に大きなやりがいを感じる日々ですが、最初からそうなることを目指していたわけではありません。

もともとは専門学校情報系を卒業し、ITエンジニアとして働いていました。ところが入社してみると、その会社では自分が思い描いていたようなコースを歩むのは難しいとわかり、転職することに。ビーネックステクノロジーズを見つけたのは転職サイトで、自動車の衝突安全性能実験の募集でしたね。もともとクルマが好きだったこともあり、「面白そう!」と思いました。

ただ応募はしたものの、正直なところ本命は別の企業だったんです。それが、面接のあとで第一志望に急浮上。一番の理由は、採用担当の方たちの対応でした。終始フレンドリーで、面接とは思えない和やかな雰囲気に、「ここで働いたら楽しそうだな。自分らしく働けそうだな」と気持ちが大きく動いたんです。そして「自動車の、それも先進的な領域に携わる実験エンジニアを目指そう。この会社なら、きっと夢が叶う」そう考え、入社を決意しました。

「過充電」して「浸水」させて、壊して安全性能を確かめる。

思えば子どもの頃から好奇心旺盛で、「これはどうなっているんだろう?」とミニカーやボールペンを壊したり、分解したりしては観察するのが好きだったので、今は好きなことがそのまま仕事になっているような状態です。

車載用リチウムイオンバッテリーの安全性能を評価しているのですが、バッテリーが本来の使用方法から逸脱した使われ方をしたときにどうなるかを確認するため、バッテリーを過充電する、海水に浸水するなど、ありとあらゆる方法でバッテリーにダメージを与えるテストを実施します。

とは言え、ただ壊せばいいわけではありません。温度センサーを設置するにも、位置がほんのわずかにずれるだけでデータにばらつきが出てしまうため、精密さや手先の器用さが必要なんです。また、テストでは動画撮影や録音もするので専用機器も覚えたり、ときには山の中で実験を行うということも。一言で実験エンジニアといっても、テスト内容は多種多様で覚えることも多いのですが、私はさまざまな条件下でとことんテストができるので、むしろ面白いんです。

適応力も身に付き、今の自分が好きになった。

実は、昔は人と話すことや電話をかけることも苦手だったんです。でもエンジニアという仕事を通じて、「周囲とどうコミュニケーションを取っていくか」の大切さに気付きました。一番大きいのは、失敗を恐れない気持ちが芽生えたことかもしれないですね。わからないことも積極的に聞かないとわからないままになってしまいますし、まず聞いてみよう!というこの気持ちは大切だなと。今では困った人がいれば積極的に声をかけることもできるようになり、新しくできた当社の後輩とは2人でよく食事したり、YouTubeも始めるほど仲が良いです。

今後は、エンジニアとして技術力をさらに高め、危険物や高所、フォークリフトなどの資格を取り、自分ができることの幅をさらに広げていきたいと考えています。そしていつか、テストのルールや規格を自ら考案し、法規認証を「取る」側から「与える」側になりたい。まだまだ挑戦したいことが、たくさんあります。

取材日:2024.2.7