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- 2025/06/25
保全業務とは?目的や種類・仕事内容から、役立つスキル・資格を紹介

「保全業務とはどんな仕事?」「どのようなスキルが必要?」「向いている人の特徴は?」そんなお悩みを感じてはいませんか。
保全業務とは、工場の生産設備の安全性・耐久性を高めるために、点検や修理をする仕事です。しかし、未経験から転職する場合、どのようなスキルがあれば良いのか不安に感じる人もいるでしょう。
この記事では、保全業務の流れや求められるスキル・向いている人の特徴について解説します。
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目次
保全業務とは?保守・メンテナンスとの違い

設備保全とは、工場の生産設備が安全かつ安定して稼働するように、計画的な点検や修理に取り組む仕事です。
基本的に、加工機やプレス機・搬送用コンベアなどの設備は、使い続けるうちに摩耗や劣化が進むことで、故障のリスクが高まります。そのため、突発的なトラブルや余計な修理費用の発生を防ぐには、定期的な点検・修理が欠かせません。
保全業務と保守・メンテナンスの違いは、以下のとおりです。
保全業務 | 保守・メンテナンス | |
目的 | 設備や機械が壊れないように維持・管理すること | 設備や機械が正常に動くように整備・修理すること |
作業内容 | ・点検 ・予防 ・修理 ・改善 | ・点検 ・整備 ・修理 |
特徴 | ・故障予防や安全性確保に重点をおく ・設備保全に関する幅広い活動を含む | ・故障時の修理や定期点検が中心 ・保守とメンテナンスは同義で使われることが多い |
保全業務は、納期遅延や不良品の発生リスクを低減できるだけでなく、作業員が安心して働ける環境づくりにもつながります。
保全業務の目的
保全業務の目的は、以下の4つです。
目的 | 詳細 |
---|---|
設備の故障を防ぐ | 設備や機械の故障を未然に防ぎ、生産ラインの安定稼働の実現を目指す |
設備部品の寿命を延ばす | 定期的な点検や適切な部品交換を通じて、設備の寿命を延ばす |
設備停止の時間を減らす | 適切な保全業務によって、突発的な停止時間を最小限に抑える |
不良品の発生を防ぐ | 不良品の発生を防ぎ、品質の維持やコスト削減につなげる |
目的を意識して仕事に取り組むことで、現場での成長ややりがいを感じやすくなるでしょう。
保全業務の種類
保全業務は、以下の3種類に分けられます。
予防保全
事後保全
予知(予兆)保全
保全業務の詳細な仕事を知ることで、転職の際のミスマッチを防げるでしょう。
予防保全
予防保全は、設備や機械が壊れる前に、事前に点検や部品交換をする方法です。
定期的に保全業務を実施することで、突発的な故障を防ぎ、機会損失を低減できます。また、製品品質の向上や設備の長寿命化も期待できるでしょう。
予防保全には、以下の2種類の方法があります。
種類 | 詳細 |
---|---|
時間計画保全 | ・過去の経験や説明書に基づき部品交換を計画する ・故障の有無に関わらず時間経過で部品を交換するため、費用が高くなる傾向がある |
状態監視保全 | ・設備の状態を点検し、状況に応じて調整や部品交換をする ・無駄な部品交換を避けられ費用を抑制できる ・点検回数が多いため手間がかかりやすい |
過剰な保全によるコスト増加の可能性や人員・労力の負担が大きくなるデメリットもあるので、安定稼働とコストのバランスを考えて選択するのが重要です。
事後保全
事後保全は、設備・機械の故障や生産能力の低下・不良品が発生したときに対応する方法です。トラブルが起きてから対応するため、突発的な故障を100%防ぐのは難しいという前提で実施されます。
事後保全が必要となる故障は、以下の2種類です。
種類 | 詳細 |
---|---|
機能停止型故障 | ・生産設備が完全に停止する故障 ・緊急保全とも言われる ・即時の復旧が必要 |
機能低下型故障 | ・設備の性能が低下する故障 ・スピード低下や洗浄力低下などの症状がある ・品質低下や不良品発生の原因となる |
故障の種類や状況によって、以下のように事後保全の方法が異なります。
- 緊急保全:設備が突然停止した場合に即座に修理をする
- 計画事後保全:あらかじめ代替機や部品を用意しておき、機能停止を最小限に抑える
事後保全は、日常的なメンテナンス費用の削減や短時間で部品交換ができる場合には効果的ですが、部品や代替機の準備状況によっては復旧まで時間がかかることもあります。
予知(予兆)保全
予知(予兆)保全は、設備や機械の故障の予兆をデータから見極め、トラブルが発生する前に先手を打つ方法です。
定期的な点検や故障後の対応とは異なり、IoTやAI・機械学習などの最新技術を活用して、デジタルデータから異常の兆候を検知します。状態監視保全では見逃しがちな細かな劣化も把握できるので、熟練作業員でも気づきにくい早期の異常を察知可能なのが特徴です。
必要なタイミングで効率的に保全作業ができるため、無駄な点検や部品交換の回数を減らし、コスト削減にもつながるでしょう。
保全業務の仕事の流れ
保全業務の主な仕事の流れは、以下のとおりです。
保全計画を立てる
保全活動を実施する
保全結果を報告する
基本的な仕事の流れを知ることで、働き方をイメージしやすくなるでしょう。
保全計画を立てる
保全業務を始める前に、設備台帳を活用して保全計画を作成します。設備台帳には、保全に必要な以下のような情報が記載されているのが一般的です。
- 設備の種類や機種
- 導入時期
- 点検箇所やサイクル
- 消耗品の部品番号
設備台帳をもとに、どの設備をいつ、誰が点検・整備するかを決めることで、効率的な保全スケジュールを立てられます。また、作業が特定の日や特定の担当者に偏らないように調整するのも重要です。
設備ごとの保全サイクルを考慮し、点検や整備の漏れによる緊急停止を防止できる保全計画を立てましょう。
保全活動を実施する
保全計画に従い、保全スタッフが設備のメンテナンスや点検を実施します。
設備ごとに適切な手法で点検・メンテナンスできるように、作業指示書の確認が欠かせません。作業指示書には、必要なツールや部品、点検・整備の手法や手順が詳しく記載されています。
「いつ」「誰が」「どの設備を」「どのように」点検・整備するのかが明確に指示されているため、未経験者でも安心して作業に取り組めるでしょう。
保全結果を報告する
保全業務が完了したら、実施内容や結果を設備台帳に保全の記録をします。今後の保全活動や設備の評価・分析に役立つだけでなく、将来的な保全計画を精度の高いものにするためにも欠かせません。
また、記録した内容は部門内や工場全体で共有することで、万が一トラブルが発生した場合も、迅速かつ適切な対応ができます。保全計画や設備の稼働状況は定期的に見直し、必要に応じて計画を修正することで、より安定した生産体制を築けるでしょう。
保全業務の年収例
ビーネックステクノロジーズでの保全業務の年収例は、以下のとおりです。
年齢 | 年収例 | 内訳 |
---|---|---|
26歳 | 383万円 | 月給24万円+残業手当+賞与年2回 |
38歳 | 545万円 | 月給35万円+残業手当+賞与年2回 |
49歳 | 760万円 | 月給50万円+残業手当+賞与年2回 |
※ビーネックステクノロジーズの年収例です。
※上記は、残業15時間分を含みます。年収例は一例であり経験やスキルにより異なります。
経験年数やスキルによっても年収は異なるので、詳しい給与は実際の求人を確認してみてください。
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未経験から保全業務に就くには?転職成功の3ステップ
未経験から保全業務の仕事に就くためのステップは、以下のとおりです。
保全業務に求められるスキルを身に付ける
保全業務に活かせる資格を取得する
エンジニアに強い転職サイトを利用する
ステップを意識することで、希望する条件の企業への転職を叶えやすくなるでしょう。
保全業務に求められるスキルを身に付ける
未経験から保全業務に挑戦する場合、以下の求められるスキルを一つひとつ身に付けておく必要があります。
求められるスキル | 詳細 |
---|---|
QCDに関する知識 | ・製造業の生産体制に不可欠な3要素 ・Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期) ・設備の異常や停止はQCDに直接影響する |
機械に関する基礎知識 | ・機械の性能と構造、動作の仕組み、油圧・エア・電気に関する基礎知識 ・工具・測定器の選定能力 ・適切な取扱技術が求められる ・異常の検知、予兆や不具合の原因究明にも必要 |
柔軟な対応力 | ・予防保全を徹底しても完全な予測は難しいので柔軟に対応しなければならない ・突発的トラブルにも対応するため臨機応変に対応する力が求められる |
リスクマネジメントスキル | ・設備特有のリスクを学び、危険の事前想定と防止策を実施する必要がある ・違和感や違いを見落とさないように注意深く観察する力も求められる ・丁寧なチェック体制をしくことで、早期にトラブルを察知できるようになる |
日々の業務や自己学習、資格取得などを通じて段階的にスキルを磨いていきましょう。
保全業務に活かせる資格を取得する
保全業務に活かせる以下のような資格を取得することで、客観的に知識やスキルをアピールできます。
資格 | 特徴 |
---|---|
機械保全技能士 | ・機械保全に関する知識 ・技能を証明する国家資格 ・学科試験と実技試験の両方に合格が必要 ・企業によっては資格手当あり |
電気工事士 | ・電気設備工事に必要な国家資格 ・第一種・第二種の区分あり(第一種の方が扱える範囲が広い) |
電気主任技術者 | ・電気工事の保安監督を行うための資格 ・工場やビルの電気設備の工事・保守 ・運用管理に必須 ・理論・電力・機械・法規の4科目試験あり |
※参照:機械保全技能検定|公益社団法人日本プラントメンテナンス協会
※参照:電気工事士|一般財団法人電気技術者試験センター
※参照:電気主任技術者|一般財団法人電気技術者試験センター
エンジニアに強い転職サイトを利用する
未経験者が保全業務に挑戦するなら、エンジニアに強い転職サイトを利用するのがおすすめです。一般的な求人サイトでは保全業務のような専門職の求人が限られているので、希望する条件の企業を見つけにくいでしょう。
ビーネックステクノロジーズが運営する「NEXT ENGINEER」なら、機械や電気・IT領域に特化した全国9,000件以上の求人から自分に合ったプロジェクトを探せます。
また、2,000種以上の研修講座や200種以上の資格取得サポートも用意されており、未経験でも安心してスキルアップを目指せるでしょう。
~~採用担当者のコメント~~
保全業務というと、機械や設備のメンテナンスを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は幅広い業務が含まれています。点検や修理だけでなく、予防的なメンテナンスや部品の管理、さらには作業のスケジュール調整まで多岐にわたる仕事です。
特に、トラブルを未然に防ぐための計画を立てることは非常に重要で、その結果として工場や施設全体の稼働率向上に直結します。未経験から始める方でも、実務を通して経験を積み、資格取得でスキルアップできる環境が整っている職場も多いです。
「確実に仕事をこなしたい」「裏方として現場を支えたい」という方にとって、保全業務はやりがいを感じられる仕事です。ぜひ前向きに挑戦してみてください!
ビーネックステクノロジーズなら、各種基礎研修でものづくりを基礎から学べる
ビーネックステクノロジーズでは、ものづくりを基礎から学べるさまざまな研修制度を用意しています。基礎知識を身に付けたうえで、仕事を始められるので、未経験者でも安心です。
研修 | 主な内容 |
---|---|
機電研修 | ・10日間でものづくりの基礎が学べる ・機械加工の基礎、材料力学、機械力学、半導体の製造プロセス、電気基礎、Excelなど ・ドライバーやスパナなど一般工具の適正な使い方、機械図面の読み方、卓上CNC旋盤の組み立てなどの機械基礎 ・電気配線方法、結線、電圧測定器による計測など電気基礎 |
セミコン研修 | ・1カ月間で半導体や半導体製造装置の基礎が学べる ・半導体とは何かという基礎知識から、研修センターにある半導体製造装置を使って装置構造やメンテナンス方法を学習できる |
C言語プログラミング研修 | ・約1〜2カ月間のオンライン研修でプログラミング言語の基礎であるC言語が学べる ・C言語の基礎やプログラミング方法から、マイコンキットを用いた制御開発研修で実際にファンを回したり、LEDランプを点灯させたり、実践的な開発に沿った形で学習できる |
キャリアブラッシュアップ研修や、エンジニア同士が学び合う勉強会も開催されており、継続的なスキルアップが可能です。
▽研修についての詳細はこちら
実際に未経験から保全業務の仕事に就いた人のインタビュー記事も参考にしてみてください。
飲食店で培ったコミュニケーション能力を活かして。
保全業務がきついと言われる理由
設備保全が「きつい」と言われる主な理由は、以下のとおりです。
- 夜間や休日の呼び出しがある
- 予期せぬトラブルに見舞われる可能性がある
- 新しい設備や機器について学び続けなければならない
- 夜勤や宿直に慣れるのに時間がかかる
設備は予期せぬタイミングで故障するため、突然の対応を求められる場面もありますが、勤務中の人が対応するのが一般的です。
以下の記事では、保全業務がきついと言われる理由や対応策について紹介しています。
関連記事:設備保全がきつい理由4選!対応策や資格、未経験から働く人の声を紹介
保全業務に向いている人の4つの特徴

保全業務に向いている人の特徴は、以下の4つです。
責任感の強い人
集中力のある人
機械が好きな人
トラブルに冷静に対応できる人
向いている人の特徴に当てはまれば、未経験者でも活躍が期待できるでしょう。
責任感の強い人
工場の設備が安全かつ効率的に動き続けるためには、正確で丁寧な点検・整備が欠かせません。
責任感の強い人であれば、不備を見逃さず、安全基準を守ることで事故やトラブルを未然に防げるでしょう。点検や整備を怠ると、工場の生産停止や大きな事故につながる危険性もあるため、与えられた仕事を着実にこなす姿勢が重要です。
集中力のある人
最近はセンサーなどのデジタル技術も活用されていますが、人の目や感覚でしか発見できない問題も多く残っているので、細かな異常を見つけられる集中力が欠かせません。
常に緊張感を持って業務に取り組む集中力があれば、故障の前兆や通常と異なる動き、異常な感触も発見できるでしょう。トラブルの未然防止や早期解決には、高い注意力や優れた観察力も重要です。
機械が好きな人
設備保全の仕事は一日中機械や設備と関わるため、機械が好きな人に向いています。
機械そのものへの興味や関心があると、構造や動作原理の理解も深まりやすく、仕事を覚えるスピードも早くなるでしょう。機械や設備が好きという気持ちがあれば、日々の業務にやりがいを感じやすくなります。
トラブルに冷静に対応できる人
現場では、予期せぬトラブルが発生することも多いので、問題発生時に冷静に判断し、対応できる人は活躍が期待できます。
急な故障や異常の兆候を察知して適切に対処できれば、安定した生産ラインの維持にも貢献できるでしょう。
ビーネックステクノロジーズで保全業務に挑戦しよう
保全業務とは、工場の生産性の成果を防ぐために、生産設備の点検や修理をする仕事です。設備の故障を未然に防げれば、修理費用を削減できるだけでなく、作業員の安全も確保しやすくなるでしょう。
未経験者でも、機械に関する知識がある人や保全業務に活かせる資格がある人は、活躍が期待できます。
ビーネックステクノロジーズなら、2,000種以上の研修講座と200種以上の資格取得サポートをしているため、継続的なスキルアップが可能です。
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