ビーネックステクノロジーズに入社してから11年。大手自動車部品メーカーで設計を6年、原子燃料メーカーで設備技術支援を約1年半経験し、現在は半導体製造装置メーカーの技術部門で、設計エンジニアとして働いています。担当している製品は、ウェーハと呼ばれる薄い円盤状の基盤を面取り※する「エッジグラインディングマシン」という装置。その中でも、CADを使った装置表面のカバーの設計をメインに手掛けています。
※素材の角部分を落とすこと
カバーに求められる要件は、安全性と耐久性です。さらに「装置の内部がむき出しになっている部分にカバーをつけてほしい」「メンテナンスしやすいようカバーに小窓をつけてほしい」といったお客さまごとの要望に合わせ、一台ずつカスタマイズしていく必要があります。
最初に配属された大手自動車メーカーでは、一度の設計で数百〜数万台分の部品が量産できるところにダイナミックな面白さを感じていましたが、半導体製造装置は、1社に対して多くて10台、少なければ1台しか納品されません。だからこそ、ときにはイチから設計し直し、オーダーメイドでカバーを作り込んでいく現在の仕事は、また違った面白さがありますね。
この配属先に来て気付いたのは、半導体というものは想像以上にたくさんの工程を経て、形になっていくということです。私が担当しているエッジグラインディングマシンは、半導体製造の一番始めの工程を担う装置ですが、量産のためには他にもさまざまな装置が活躍しています。また、検査のための装置や、今までにない新たな素材を使った半導体を作るための装置なども日々開発されており、興味が尽きることはありません。
私はもともと文系出身で、「モノづくりが好き」という思いから3DCADを使った設計のインターンに参加したことをきっかけに、新卒で当社に入社しました。設計の知識やCADの使い方も、入社してから学び始めたんです。理系の人たちに囲まれて仕事をしていると、頭の使い方や考え方が全然違って、最初は「別の世界に来たみたい」と戸惑いましたね。でも、わからないことは素直に周りの人に聞き、目の前にある仕事に一生懸命取り組んできたことで、ここまで成長してこられたのかなと思っています。
設計するものが自動車から半導体製造装置へと変わっても、自分なりに考えて図面を引いたものが実際に形になるのは嬉しいですし、その喜びがモチベーションにつながってきました。何より、携わったものがお客さまのもとに届き、世の中の役に立つ。それこそが、設計エンジニアならではのやりがいだと感じます。
実は、これまで2度の出産を経験し、いずれも約半年の育児休業を取得しました。最初の妊娠がわかったのは、2社目に勤務していた頃です。当時は原子燃料メーカーで許認可申請書の作成業務を担当しており、「また設計の業務に戻りたい」とは考えていましたが、復帰後に設計業務をできる就業先が見つかるのか、不安な思いもありました。
育休期間は、自分の気持ちを整理する良い機会にもなりました。復帰後の仕事を考えていくうち、「私はやっぱり設計がやりたい」という気持ちがどんどん大きくなって。営業担当の方にも強い思いを伝えたところ、条件に合った就業先を探してくださり、現在の配属先で設計の仕事に戻ることができたんです。
その後、2人目の妊娠がわかり、2度目の育休を取得した時も、やはり不安がありましたが、この時は上司のサポートにも助けられました。育休前は「また一緒に働きましょう」と声をかけてくださいましたし、育休中も「仕事のことは気にせず、子育てに専念してください」と連絡をくださり、すごく心強かったですね。2人の子どもが3歳と1歳になった現在は、時短勤務で働いていますが、子どもが急に体調不良になったときは早退や半休を使わせてもらったりと、理解のある職場で本当に助かっています。
最近は「これから先も設計の仕事を続けたい」という思いから、仕事の昼休みや休日の隙間時間を使って勉強してきた「3次元CAD利用技術者試験」の準1級に合格することができました。そして現在は、3人目の子どもを妊娠中で、再び育休に入る予定です。今後も家庭を大切にしながら、設計エンジニアとしてのキャリアも諦めることなく、この仕事をずっと続けていきたい。ビーネックステクノロジーズならそれが叶うと思っています。
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